I MY MIE


元ピンク・レディーのミー
解散後のMIEちゃんには常にこのような代名詞がついて回った。
あのピンク・レディーのインパクトからすればこれはしょうがないといえばしょうがない・・・ことだったのかも知れない。
でも、そのイメージを振り払おうとMIEと改名されたミーちゃんのソロデビューアルバムはなんと阿木耀子-宇崎竜堂による作品だった。
今年(2007年)10月待望の復刻を果たしたこのアルバム「I MY MIE」
このアルバムの特徴は基本的にMIEというひとりのシンガーの誕生を祝った内容が多い。
それはラストを飾る「貿易風」という曲に象徴されているのだ。
ひとりで旅立つ私・・・というくくりの歌詞でお分かりになるであろう。
全てにおいてピンク・レディー時代には与えられることのなかった、リズムやテンポそして歌の幅の広さそれらの曲に作詞家阿木耀子の女性ならではの想いを込 めた言葉の数々・・
かつて阿久悠氏の歌詞にはなかった女の言葉のひとつひとつを丁寧に歌う歌声に元ピンク・レディーのミーではなくMIEというひとりのシンガーの存在を確認 することが出来る。
あの山口百恵の世界を作ったのはこの阿木の言葉の数々だった。
歌ではなくひとつの映画を作るような阿木-宇崎コンビの作品群。
その映画のような歌の世界がこのアルバム全体のコンセプトのように思う。
後半に納められている「AfterFiveFriday」などはもっとも分りやすい1本の映画のような作品に仕上がっている。
目を閉じて情景が思い浮かぶような作品なのだ。
復刻盤にはボーナストラックでシングル「モア・モア」を収録
これも言葉の刻みが男では書けない詩なのである。
男性が女性の詩を書くときどうしても想像や男からみた女性像などが入ってしまい、内容も簡潔的である。
うまい言葉使いも多く、サッパリとした印象。
・・・が女性の詩の場合、下手すれば意味わかんなくなるのだが、言葉に出来ない女の心理というものが言葉と言葉の間に入っている。
よくいえばそれが間というものなのだが、ストレートではないのが女性の詩でありそれを表現する歌手も当然大人の女性歌手ということになる。
女心と秋の空などという言葉があるように男に理解できない部分を持つ存在が女性なのである。
そんな大人の女をこのI MY MIEでは垣間見ることが出来る。
シンガーとしての出発I MY MIE是非お聴きいただきたいと思います。

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